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秋田県

「生グソ」、「ババヘラ」だけじゃない。秋田のひんやりスイーツ、侮るなかれ。

「生グソ」、「ババヘラ」だけじゃない。秋田のひんやりスイーツ、侮るなかれ。

冒頭から何を意味の分からないことを…。そう思った方もいらっしゃるかもしれませんが、こちらはいたって真面目。「生グソ」も「ババヘラ」も秋田県民が愛してやまないひんやりスイーツ、まさにソウルフードなんです。でも残念なことにどちらも季節限定で、冬は食べられないという悲しい現実。そんな枯渇した秋田県民のひんやり需要を満たしてくれるお店があると聞いて、早速行ってきました! 通年で食べられるひんやりスイーツ、ここにあります!


本題に入る前にちょっと補足を。

タイトルにある「生グソ」はもちろんアレではなく、秋田市にある菓子店 広栄堂さんの「生グレープフルーツソフト」のこと。略して「生グソ」。
行列の絶えない人気店で、夏になると「生グソちょーだい!」の声が店内に響きます。

そして、「ババヘラ」は秋田名物アイスです。ババがヘラでアイスを盛るから「ババヘラ」。
温かくなると道路沿いに出現する、言わば秋田の風物詩です。

それでは早速本題に。

ライブ感を味わえるかき氷屋さん。ん? ライブ??


最初に訪れたのは、東北屈指の歓楽街、川反近くにある秋田市大町。立ち並ぶ飲食街を抜けていくと、喧騒を避けるかのようにひっそりと佇む古民家が。
「生グソ」、「ババヘラ」だけじゃない。秋田のひんやりスイーツ、侮るなかれ。 | ブランニューアキタ | アキタファン

お店が見えたその瞬間から、まるで別空間に入り込んだような不思議な感覚に陥ります


ここは2020年6月にオープンしたかき氷専門店「ハチコオリ」。
築100年を超える古民家をリノベーションしたというお店でかき氷。ミスマッチにも思える組み合わせに一種の違和感を感じながら店内に入ると、さらに想像以上の空間が広がっていました。
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手作りだというテーブルや床・棚、そして何より天井を覆い尽くすドライフラワーに圧倒されていると、出迎えてくれたのが店主の伊勢悠一さん。
 

──外観も内観も、すごく素敵ですね!
 
「ありがとうございます。お店をオープンする際にこういう古民家を探してたんですよ。それで、『ガラガラ』って玄関を開けたときに、全席が見渡せるようにしたかったんです」
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──へぇ、それは何でですか?
 
「うちのかき氷は機械で削るんじゃなくて、一杯ずつ手削りなんです。そのお祭り感というか、ライブ感というか、そういうものを楽しんでもらいたくて。おいしいのは大前提ですけど、手で削られて、形作られていって、真っ白な氷がいろんな色に変わって、っていうところまで楽しんでもらえればなと。そういう意味で全席から見えるようにしたかったんですよね」
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手で削るかき氷。夏は1日に100杯以上を一人で毎日削っているそう!


──確かにかき氷を作っているところ、ずっと見ていられます(笑)
 
「夏はこの『シャリシャリシャリ』っていう音が涼しげで、まぁ聞いていて全然嫌な音じゃないんですよね。会話も全然邪魔しないし。機械だと『ガーッ』っていう音が耳に残ると思うんですよ。どっちがいいとかはないんですけど、僕としては手削りの音の方が好きだっていう(笑)」
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──そもそも、何でこの寒い秋田の地でかき氷を? 
 
「僕はアジアが好きなんですけど、もともとはインドでかき氷屋さんを始めようと思ったんですよ。タイには日本のかき氷があるんですけど、『インドにはないじゃん』って思って」
 
──え? インドでかき氷屋さんを!?
 
「はい、物件も探しましたよ。見つからなかったですけどね(笑) それで、かき氷のことも調べてたんですけど結構奥が深いんですよ、かき氷って。氷削って『ハイ、終わり』じゃないんです。僕自身、“かき氷”というものをすごく簡単に考えてたんですよね(笑)」
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──それでかき氷の奥の深さにハマっていっちゃったとか?
 
「『かき氷だったらできそう』って思ってたのに、全然そんな感じじゃなくて。それで、日本に戻ってから東京でいろんなお店のかき氷を食べ歩きしたんですね。そしたら、手削りしているお店にたまたま入って。手で削って、ソースをかけて、出されて食べるまでの一連がライブ感って言うんでしょうか。あの感じにすごく感動したんです。それですぐ『秋田でやりたいんですけど、僕を置いてもらいたい』って直談判して(笑) そのお店で勉強させてもらいました」
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福岡産あまおうを使った「いちごミルク」(¥1,100-税込)はSNS映えの人気メニュー!


──すごい行動力! それで秋田でお店をオープンさせたんですね。
 
「東京でも人口は違えど、夏でも冬でもかき氷ってこんなに需要あるのかと思ったんですよね。じゃあ地元の秋田はどうかというと、冬にやってるお店がなかったんです。しかも手削りしているところは全国的にもほぼなくて。これなら秋田でも勝負できるかもって」
 
──寒いときに温かくして冷たいものを食べる、って究極の贅沢ですもんね!
 
「そうですね、なので冬は店内もおもいっきり温かくしてます。逆に夏はエアコンを入れずに扇風機だけなので、地獄のような暑さです(笑) 汗かいて待たせているのに申し訳ないんですけど、ここに座って食べ始めたときのおいしさ感を味わってもらいたくて。そこはこだわってます」 
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──ほかにこだわってる部分はどんなとこですか?
 
「ソースに使う食材ですね。県内の農家さんから毎日送ってもらっていて、可能な限り秋田県産のものにしています。秋田の酒粕を使ったかき氷も出してるんですけど、これはほぼやってるところがないですね。升の器で出すのも珍しいと思います。もちろん県外の農家さんからも、宮崎マンゴーとか宮崎バナナを送ってもらったりとか。地元とか産地が見えるようにしてるところもこだわりですね」 
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秋田の人気日本酒「雪の茅舎」の酒粕と宮崎産の金柑を組み合わせた「金柑酒粕ミルク」(¥1,100-税込)


見た目の大きさと鮮やかな彩りに目を奪われること数分。「溶け始めてる!」とカメラマンに急かされ慌てて一口いただくと、氷は口の中ですぐに溶けちゃうのに、味と香りはふんわり残ったまま! 
食べきれないと思いきや、うっかりペロリと2つとも完食してました。私のお腹、大丈夫でしょうか…。

ジェラート大学で学んだ、本場のイタリアンジェラートをどうぞ

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続いて向かったのは、秋田市より車を走らせること約1時間。名水百選にも選ばれる湧水の町、美郷町です。
「65テラス」という複合施設の1階に、そのお店はありました。
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65テラスの正面入り口から入ってすぐの黄色い扉が目印です


お邪魔した「TiG」(ティグ)は、その名の通り“The Italian Gelato”の頭文字から付けられたイタリアンジェラート専門店。
店内には常時10種類以上のフレーバーが並んでいて、季節によって旬の食材に入れ替えています。
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「子どもの頃からアイス全般が大好きで、『好きを仕事にしたかった』っていうのが、このお店をオープンさせた一番の理由ですかね」とオーナーの内田清文さん。
 
──でも、「アイス」じゃなくて「ジェラート」だったんですね。
 
「広い意味で言う『アイス』にはいろんなジャンルがあって、一番素材の良さや魅力を生かせるのが『ジェラート』だったんですよね。ジェラートって空気の含有量が少ない分、香料や着色料を使わなくていいんです。空気の含有量が多いと味わいが減るので、アイスは香料や着色料を使って味わいを力強くしなきゃいけない。あと、ジェラートはアイスよりも温度が高くて舌が麻痺しにくいんです。その分ジェラートは舌で味を感じやすいし、素材本来の味も感じやすいんですよ」
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──何だか難しいですけど…、でもジェラートってすごいですね!
 
「難しいですよね(笑) でもまぁ、秋田にはおいしい食材がいっぱいあるので、それをいろんな人に楽しんでいただくためには、『ジェラート』は優秀なツールだと思ったということですね」
 
──それで「ジェラート屋さんやろう!」と?
 
「いろいろ調べていくと、イタリアに『ジェラート大学』があると知ったんです。それで、そこに入ってジェラートの勉強をしました」
 
──イタリアの「ジェラート大学」に留学!?
 
「はい、日本人は僕だけでした(笑) イタリアではたくさんジェラートを食べましたけど、『⽇本のジェラート』とは全然違ったんですよね。滑らかさとか、あと味の濃さ。日本ってソフトクリーム文化がすごく強い国なんですけど、アイスとかソフトクリームの延長にあるのが『⽇本のジェラート』かなと。実際、日本にはイタリアンジェラートのお店はそんなに多くないんです」
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店内にはイタリア「ジェラート大学」の卒業証明書が!


──日本でも本格的なイタリアンジェラートのお店が少ないのであれば、ましてや秋田では初なんじゃないですか?
 
「そうですね、秋田県ではここだけですね。さらに『秋田』っていうことを突き詰めていくと、まだまだ秋田の食材の魅力ってあるはずなんですよ。イタリアンジェラートを通して、食材の魅力を発信したいという農家さんのお手伝いができるんじゃないかと思ってるんですよね。『TiGのジェラートは秋田の〇〇で採れたフルーツを使ってるんだって』っていう形で、ジェラートを食べた方と生産者さんがつながれば、秋田の食材の魅力がもっと広く出ていくことになると思ってます」
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人気の「ピスタチオ」は、イタリアンジェラートの定番フレーバー


──ジェラートを通して秋田の魅力が発信されていくわけですね。
 
「そうですそうです! これからは食材の組み合わせを試していきたいと思っていて、今開発しているのは『いぶりがっこ』と『クリームチーズ』です。あとはしょっぱい『秋田味噌ジェラート』だったりとか『しょっつるジェラート』とか。秋田には魅力的な食材がいろいろあるので、それをジェラートで食べやすく加工してご提供できれば、秋田の食の魅力がより伝わると思っています!」
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秋田県大仙市産のいちごを使った「いちごソルベ」(¥380-税込)


──いぶりがっこクリームチーズジェラート、食べたい!
 
「もうちょっとでお出しできると思いますよ! ジェラートの滑らかさを大切にしているので、口の中に違和感が残らないように改良中です。食感を残すのではなくて、風味でいぶりがっこの味をしっかり出したいんです。あとは、比内地鶏の出汁を使ったジェラートとか。イタリアでは甘くない『セイボリー・ジェラート』っていう新しいタイプのジェラートが出てきていて 、ツナジェラートをサラダの上に乗せたり、前菜としてクラッカーにつけたりして楽しまれています。ジェラートの幅って結構広がっていて、製造は難しいんですけど、そのあたりも勉強してきたので、これから生かしてければと思っています」
 
ー新しい! もはやスイーツではないですね!
 
「そうですね、セロリとかにんじんとか、いろいろと食材を組み合わせながら作りたいですね。あとは、今後はキッチンカーとか2号店とか、オンライン販売とかも準備しています。今年はいろいろ展開していきたいと考えてますよ」
「生グソ」、「ババヘラ」だけじゃない。秋田のひんやりスイーツ、侮るなかれ。 | ブランニューアキタ | アキタファン

ジェラートを通して秋田の魅力を発信したいという内田さん、いろんな構想が広がっています!


いただいてみると、
確かに! 今まで食べてたジェラートと違う!! 想像以上に滑らかで、よくある甘味料や香料の味がありません! 
余計なものを含んでいないからこそ風味が強く感じられ、いつも以上に味が濃く感じられました。これぞ食材本来の味が楽しめるジェラート、ということなんですね。本場のイタリアンジェラート、恐るべしです!! 

○ ハチコオリ
秋田市大町六丁目4-13
※季節によって、営業日・営業時間が異なりますので、FacebookInstagramでご確認ください。


TiG (ジェラートショップ -ティグ-)
仙北郡美郷町六郷字馬町102 「65テラス」 1F
営業時間11:30〜16:30 木曜定休
※2021年4月 秋田市に新店舗『ジェラートショップ TiG akita』がオープンしたため、美郷町65テラスのショップは『TiG misato』に名称変更となりました。