リゾートしらかみで優雅な女子旅~「ごのたび」を使ってみた~

リゾートしらかみで優雅な女子旅~「ごのたび」を使ってみた~

観光列車に揺られて、絶景を眺めながらご当地弁当を味わう…そんな旅行を、誰もが1度は思い描いたことがあるのではないでしょうか。秋田と青森をつなぐ五能線を走る「リゾートしらかみ」は、四季折々の車窓、車内イベント、ふれあい販売などが楽しめるとのウワサ。 特に気になるのは、五能線モバイルオーダー「ごのたび」。事前にスマートフォンから、沿線のお弁当・スイーツ・ドリンクなどを注文できるサービスです。旅マエのワクワク感を高めてくれるこの「ごのたび」を使って、いざ憧れの列車旅へ!

リゾートしらかみとは?

リゾートしらかみで優雅な女子旅~「ごのたび」を使ってみた~ | ブランニューアキタ | アキタファン

(写真:JR東日本秋田支社提供)

秋田駅~弘前駅・青森駅間を運行する観光列車「リゾートしらかみ」。1997年、五能線にデビューして以来、車窓の風景をより楽しめるように窓が大きくデザインされた車両や、車内イベントが人気を呼んでいます。
編成は全部で3種類。世界自然遺産白神山地のブナ林をイメージした「橅」(写真右)、日本海の水平線と十二湖の青池をイメージした「青池」(写真中央)、白神山地に生息するクマゲラと五能線沿線の夕陽をイメージした「くまげら」(写真左)です。
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(写真:JR.東日本秋田支社提供)

五能線モバイルオーダー「ごのたび」

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(写真:JR東日本秋田支社提供)

秋田から青森まで、最長約5時間の旅…美しい景色と非日常感が溢れる車内に「ご当地グルメ」は欠かせません。五能線モバイルオーダー「ごのたび」は、スマートフォンでお弁当やスイーツを注文すると、当日に駅のホームなどで商品を受け取ることができる新しいサービスです。
近年では車内販売は減少傾向にあり、リゾートしらかみもお弁当などの販売は行っていません。この「ごのたび」を使えば沿線のグルメを確実に味わうことができますし、事前にメニューを調べられるので当日の楽しみもグッと増します!

では、この新しい旅のスタイル「ごのたび」はどのように利用するのでしょうか。
「どんなメニューがあるの?」「駅のホームなどで受け取るって具体的にどうするの?」
そんな疑問にお答えすべく、実際にサービスを利用してみました。
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(写真:JR東日本秋田支社提供)

まず、スマートフォンを手元に用意。「ごのたび」で検索し、専用サイトを開きます。
メニューは「おすすめ」「お弁当」「サイドメニュー」「ドリンク」の4種類に分かれています。「秋田錦牛すき焼き丼」や「比内地鶏親子丼」といった秋田の食材にこだわった弁当や、旬の果物をふんだんに使ったフルーツタルトなど、沿線ならではの厳選グルメが揃っています。
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「前菜6種&『比内地鶏親子丼』ハーフ&『秋田錦牛すき焼き丼』ハーフ」(写真:JR.東日本秋田支社提供)

乗車する列車や、受け取る駅を入力し、購入できる商品を選択します。
クレジットカードなどで支払い、購入チケットが表示されれば事前準備は完了!
あとは当日を待つのみです。

乗車当日、秋田駅からいざ出発!

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「リゾートしらかみ」の発車ホームに向かいます。

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駅たびコンシェルジュ秋田のスタッフさんがウェルカムボードでお出迎え。記念撮影もできます。

今回はごのたびのメニューが豊富なリゾートしらかみ3号に乗車。秋田駅の案内板に沿ってホームに降りると、既に列車は待機していて、その手前で駅たびコンシェルジュ秋田のスタッフさんがお出迎えしてくれます。
続いて、「ごのたび」の商品の受取をします。乗車口付近にある、「ごのたび」と書かれた水色ののぼりが商品の受取場所です。担当スタッフにチケットを提示するだけで、すぐに商品を受け取れます。その時間、わずか3分。スムーズな対応のおかげで、余裕を持って乗車することができます。
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出発の15分前頃からスタッフが待機。

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チケットを提示して受け取るだけ!

乗車する編成は「くまげら」。夕陽をイメージした車体には赤・オレンジ・黄色の3本線が入っています。
リゾートしらかみの席種は「普通車指定席」と「ボックス席」の2つ。指定席券の料金は同じなので、シチュエーションに合わせて使い分けることをおすすめします。
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半個室のプライベート感を楽しめるボックス席を指定。

リゾートしらかみ担当者に秋田県内区間のおすすめを聞いてみた。

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リゾートしらかみを担当しているJR東日本 秋田支社の伏見さん。リゾートしらかみでは、「ごのたび」の運営に関わっているほか、車掌業務の経験もあるそうです。

――秋田県内区間のおすすめスポットはどこでしょうか。

「まず1つは、岩館駅(秋田県八峰町)~大間越駅(青森県深浦町)の県境付近の風景ですね。列車って目的地まで早く到着することが第一なので、基本的に徐行はないんです。しかし、リゾートしらかみでは、“景色を楽しんでほしい”という社員の熱い想いを反映して徐行区間を設定しています。そのため、徐行区間は特に見応えのある景色になっています。」
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岩館駅~大間越駅の風景(JR東日本秋田支社提供)

「また、あきた白神駅~岩館駅の第2小入川鉄橋付近の風景も綺麗です。列車で通過するわずかな時間ではありますが、開けた日本海の景色を見ることができます。国道101号線から鉄橋と列車の風景を撮影に訪れる方も多い印象です。」
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あきた白神駅~岩館駅の風景(JR東日本秋田支社提供)

「能代駅~向能代駅間の能代鉄橋で、河口付近の夕陽が赤く燃え盛る様子は息をのむ美しさです。特にリゾートしらかみは窓が大きいので、その絶景が絵画のように視界いっぱいに広がります。ほかにも、奥羽本線内で見られる男鹿半島の真山・寒風山・大潟村の田園風景など秋田らしさを感じられるスポットもあります。」

「ちょうど五能線の起点駅の『東能代駅』に着きましたね。降りてみましょうか。」

――えっ、降りてもいいんですか?

「大丈夫ですよ。リゾートしらかみには、列車の進行方向が変わる駅や駅イベントを楽しんでいただくために数分停車する駅があります。」

――たしかに車内アナウンスで出発時間を案内していましたね。乗り遅れないように気をつけます!

リゾートしらかみを模した待合室が可愛い!五能線の起点駅「東能代駅」

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五能線とは、秋田県の東能代駅と青森県の川部駅を結ぶ全長147.2kmのローカル線のこと。「リゾートしらかみ」は、その五能線を経由し、秋田と青森を結ぶ観光列車の名称です。
ホームに降りて目に飛び込むのは可愛らしい待合室。リゾートしらかみの「くまげら」がモチーフになっていて、中にはキハ58-23の運転席があり、運転士気分を楽しめます。
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乗ってきた「くまげら」とお揃いの待合室。

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遊んで撮って楽しめる「キハ58-23」の運転台。

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五能線の景色が流れるモニター付き。

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向かい側のホームには顔出しパネルもあります。

駅のホームでフリースローが体験できる!?「能代駅」

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東能代駅の次に停車するのは「能代駅」。人気漫画『SLAM DUNK』に出てくる強豪校のモデルになった「能代工業高校(現・能代科学技術高校)」があることから、バスケの街として知られています。
そんな能代駅では約10分停車し、駅のホームでフリースローを体験することができます。チャンスは1人1回。成功すると記念品をもらえるとのことで、早速チャレンジ!(1号と3号のみ実施。冬季は中止となります。)
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駅のホームはバスケ感満載。

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今回の記念品は、「リゾートしらかみ青池」と書かれた秋田杉のコースター。

さて、バスケで体を動かした後は、「ごのたび」でオーダーした商品のピックアップも忘れずに。能代駅では、大自然で育ったのしろ牛の柔らかさと甘さが際立つ「のしろ牛弁当」や、白神山地の水にこだわった香り高いコーヒーや紅茶など、地産地消にこだわったグルメを受け取ることができます。
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リゾートしらかみに乗車していることを告げて改札の外に出ます。

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受取場所は改札を出てすぐ右手。停車中に受取可能です。

沿線の魅力がぎゅっと詰まった「ごのたび」グルメ

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沿岸部に差し掛かり、徐行区間に入るとそこはまるで海上のレストラン。日本海の荒々しい岩とキラキラ輝く海面が車窓を彩ります。
秋田駅で受け取った「前菜6種&『比内地鶏親子丼』ハーフ&『秋田錦牛すき焼き丼』ハーフ」は、秋田錦牛・比内地鶏の食べ比べができる贅沢な一品。カラフルな前菜も含め、さまざまな味わいが詰まった宝箱のようなお弁当です。
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秋田駅の「前菜6種&『比内地鶏親子丼』ハーフ&『秋田錦牛すき焼き丼』ハーフ」

能代駅で受け取ったのは、能代市特産の「のしろ牛」を使用した「のしろ牛弁当」。お弁当のクオリティを凌駕したお肉のジューシーさと柔らかさに舌がとろけます。甘辛い濃厚なタレが絡み、ご飯を食べる手が止まりません。
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能代駅の「のしろ牛弁当」

また、秋田県潟上市に本店を構える「パティスリーパルテール」のフルーツタルトはデザートやおやつにおすすめ。四季折々の車窓を眺めながら旬の果実を味わえる特別感は、「ごのたび」のサービスならでは。
他にも、白神café&Galleyのアイスコーヒーや能代名物「セキトの志んこ」&白神サブレミニ詰め合わせセットなどの沿線グルメが揃っています。
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秋田にちなんだお弁当やスイーツが旅を彩ります。

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視界に広がる大海原を眺めながら、沿線グルメをいただきます。

リゾートしらかみ担当者に「ごのたび」の魅力を聞いてみた。

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四季折々の景色と、パティスリーパルテールの旬のフルーツタルト。

――「ごのたび」のサービスを開始したきっかけについて教えてください。

「車内での新たな楽しみ方のご提案と、沿線で提供している美味しい地元の食を多くのお客さまに知ってほしい、という想いから始まりました。モバイルオーダーサービスを活用することで、コロナ禍に即したキャッシュレス決済の推進や、オーダーを事前に知れることによる店舗側のメリットを考慮し開発に至りました。」

――まさに今の時代に合ったサービスですよね。メニューのこだわりもあるのでしょうか。

「基本的に、地元の食材を多く取り入れたメニューを提供しています。中には、『ごのたび』オリジナルメニューを作ってくださるお店もあります。『ごのたび』を利用したリゾートしらかみの旅で、「こんな美味しいものがあったんだ」という発見とお客さまの満足度向上に繋がれば嬉しいです。」

――人気メニューがあれば教えてください。

「ビランチャさんの『秋田錦牛すき焼き丼』、『秋田の日本酒&ワインセット(4種)』、パティスリーパルテールさんのタルトが人気です。」
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「秋田の日本酒&ワインセット(4種)」(写真:JR.東日本秋田支社提供)

――今回は飲めませんでしたが、美しい景色とほろ酔いの組み合わせは列車旅の特権ですよね!
――最後に、読者の皆さまにメッセージをお願いします。

「リゾートしらかみは2022年4月1日で運行開始より25年を迎えました。多くのお客さまにご利用いただき、支えていただいたのはもちろんですが、かつて廃線の危機を知恵と工夫で乗り越えてきたJRの先輩方への敬意を忘れることなく、五能線沿線の活性化のために、サービスの向上を目指していきたいです。
リゾートしらかみから見る五能線沿線の景色は、海、山、空、どこをとっても格別です。天気が良いに越したことはありませんが、あいにくの天気で荒々しい波が打ち寄せてもそこは『演歌の世界』。四季折々、様々な風景が目に映ります。
ぜひ、五能線リゾートしらかみに乗車し、快適な車両と美しい景色、そして「ごのたび」を使って沿線の食をご堪能いただけたら嬉しいです。
皆さまのご利用を心よりお待ちしております。」

――ありがとうございました!

白神山地、日本海、車内イベントなど旅する喜びが揃ったリゾートしらかみ。今回は「秋田区間」と「ごのたび」にフォーカスしてお届けしましたが、沿線の魅力はまだまだたっぷりあります。ぜひ、実際に乗って体験してみてください!

(取材:2022年6月/公開:2023年3月/更新:2023年7月)