日本酒女子がゆく、秋田の酒蔵巡礼記

日本酒女子がゆく、秋田の酒蔵巡礼記

洗練された酒質とユニークなコンセプトの商品で、ファンの心を鷲づかみにしている山本酒造店。かく言う私もハートをしっかりキャッチされている一人なのですが、ファンの間で去年から、新酒のラインナップよりも大きな話題になっていたことがあるんです。

それが秋田県の海辺の町で2023年3月にオープンした、「LABO and CAFE YAMAMOTO(ラボ&カフェ ヤマモト)」。
 
ラボ=実験室。試験醸造をする場所なんだそうです。私がラボ&カフェ ヤマモトに興味をもったのは、ほかでは飲めない試験醸造のお酒を試飲できると知ったから。実際に訪れた人たちの評価も非常に高く、ファンとして絶対に行かなければ!と思っていました。
 
所在地は秋田県の北端に位置し、東には世界遺産の白神山地、西の海岸線では荘厳な夕景が見られるという八峰町(はっぽうちょう)。都内在住の私には気軽に行ける場所ではないので、今年の旅行はこれ一本!と決め込んで、数カ月前から友達と計画を練ってきました。

いざ、秋田県八峰町の山本酒造店へ

日本酒女子がゆく、秋田の酒蔵巡礼記 | ブランニューアキタ | アキタファン

こちらはなんとあこがれの山本酒造店の本社の社屋

きっと私たちの日頃の行いが良かったからでしょう。神様は訪問当日、絵に描いたような秋晴れをプレゼントしてくれました。移動に時間はかかりましたが、飛行機、バス、電車の窓の外に流れる景色が都心から遠ざかるほどに情緒的になっていき、その時間が全然苦になりませんでした。
 
お目当ての建物は、東八森駅という名の小さな無人駅から歩いて3分ほどの距離にありました。
大きな倉庫の横に見えた、木をふんだんに使ったS字型のアーケードに向かいます。水盤(というのかな?)のあるアーケードはそれほど長くないものの、何度も行き来したくなる雰囲気の良さがありました。
日本酒女子がゆく、秋田の酒蔵巡礼記 | ブランニューアキタ | アキタファン

国道から見える「山本酒造店」の大きな倉庫と看板が目印!

日本酒女子がゆく、秋田の酒蔵巡礼記 | ブランニューアキタ | アキタファン

酒蔵の倉庫の横にある、おしゃれなロゴがあしらわれた壁の前で記念撮影。

日本酒女子がゆく、秋田の酒蔵巡礼記 | ブランニューアキタ | アキタファン

美しい庭を眺めながら、ゆるやかなアーチを抜けてカフェへと向かいます。

そしていよいよラボ&カフェ ヤマモトの中へ突入です。ネットで写真を見たことはあったのですが、屋内空間の洗練度合が本当にすごい!この空間がそのまま代官山あたりに出現しても、私は違和感を抱かないと思います。
日本酒女子がゆく、秋田の酒蔵巡礼記 | ブランニューアキタ | アキタファン

秋田杉をふんだんに使用した屋根が特徴的な、木のぬくもりあふれる店内

すべての席から清涼感あふれる庭園を眺められる設計も素敵だと思いました。お店の人の話によると庭園は白神の里山がコンセプトになっていて、建物の周辺にある水盤には白神山地の湧き水を流しているのだとか。
日本酒女子がゆく、秋田の酒蔵巡礼記 | ブランニューアキタ | アキタファン

水が張った水盤が印象的な庭園は四季折々の表情を楽しめます。

加えて店内で使われているチェアのファブリックが、白神山地を表現したものになっていることや、建物とインテリアの資材に秋田のものがふんだんに使われていることも知り、山本酒造店の地元愛を強さを再確認。土地の宝を磨いてより一層輝かせる酒蔵の存在は、地域にとっても自慢の種になっているに違いありません。

有名パティスリーブランドとのコラボスイーツが登場!

日本酒女子がゆく、秋田の酒蔵巡礼記 | ブランニューアキタ | アキタファン

可愛らしいマカロンが並ぶショーケースに感動!

大切な人への贈り物や自分へのご褒美に選ばれることの多いピエール・エルメのマカロンが、ショーケースに並んでいたのも驚きでした。ラインナップの中には山本の酒粕にほれ込んだエルメ氏が、その酒粕を使って仕上げたオリジナルマカロン「シラカミ」も! 一流同士は出会うべくして出会うんですね。おかげで私たちは特別なコラボスイーツを楽しめます。ありがとう山本!ありがとうピエール!

日本酒女子がゆく、秋田の酒蔵巡礼記 | ブランニューアキタ | アキタファン
日本酒女子がゆく、秋田の酒蔵巡礼記 | ブランニューアキタ | アキタファン

かわいらしいラテアートとマカロンのセット。思わず写真をたくさん撮ってしまいました。

マカロンに合わせるドリンクはラテにしました。私は日本で入手できるコーヒー豆の中で、最もグレードの高いものを使用しているというカフェラテ。友達は国産有機栽培の茶葉のみを使用しているという抹茶ラテ。どちらにも可愛らしいアートが描かれていました。
うれしいことに、コーヒー、お茶、ラテ類は300円引きで2杯目をオーダー可能でした。しかも1杯目とは違うものでもOKだなんて、つい時間を忘れてのんびり過ごしてしまいます。

カフェタイムを楽しんだあとはお待ちかねの日本酒テイスティング

日本酒女子がゆく、秋田の酒蔵巡礼記 | ブランニューアキタ | アキタファン

理科の実験道具のような道具が登場し「ラボ」感にワクワクが高まります!

おなかを落ち着かせるため建物の周辺をいま一度散策したあとは、お待ちかねのアルコールタイム。カフェ空間からもガラス越しに見えるラボでつくられた、正真正銘ここでしか飲めない日本酒のテイスティングセットをいただきます。
日本酒女子がゆく、秋田の酒蔵巡礼記 | ブランニューアキタ | アキタファン

カフェのスタッフさんが、日本酒のオススメや飲み方などを丁寧に教えてくれました。

この日、店員さんがサーバーから注いでくれた生酒は「秋田酒こまち55%精米 秋田酵母No.12」、「秋田産 一穂積55%精米 秋田酵母No.12」、「美山錦55%精米 セクスィー山本酵母」。どれも明確な個性を持っていて、私たち二人のコレ好き!ランキングは見事に違う結果に。ただ、3種類すべてに山本らしさはしっかり感じられるね、という見方は一致しました。
テイスティングセットの内容は、3週間から1カ月で変わるそうです。それだけで山本ファン、日本酒ファンなら通う価値があるのではないでしょうか。
日本酒女子がゆく、秋田の酒蔵巡礼記 | ブランニューアキタ | アキタファン

いぶりがっこのポテトサラダや、キッシュなど、地場産食材を使ったおつまみメニューが気になります!

フードメニューはすべて自家製で、キッシュ、ポテトサラダ、酒粕クラッカーなどがありましたが、今回は原木からスライスしてもらえる生ハムをオーダーしました。これが山本のフルーティーな日本酒によく合う!当然テイスティングセットの3杯だけでは足りなくなって、それぞれのコレ好き第1位の生酒を追加オーダーしたのは言うまでもありません。
日本酒女子がゆく、秋田の酒蔵巡礼記 | ブランニューアキタ | アキタファン
日本酒女子がゆく、秋田の酒蔵巡礼記 | ブランニューアキタ | アキタファン

トレーにお酒の解説が書かれているので、日本酒を味わいながらじっくりと解説を読む、山本ファンにはたまらない特別なひとときを過ごすことができました。

ラボ&カフェ ヤマモトがめざしているのは、『ついでに寄ってみようという場所ではなく、ここに来ることそのものが旅の目的となるような場所になること』なのだとか。もう十分、そんな場所になっていると思います!
全国の山本ファンのみなさんも、ぜひ聖地とも言うべき場所へ訪れてみてくださいね。
日本酒女子がゆく、秋田の酒蔵巡礼記 | ブランニューアキタ | アキタファン
日本酒女子がゆく、秋田の酒蔵巡礼記 | ブランニューアキタ | アキタファン

何気ないディスプレーひとつでも、日本酒への知識が深まります。

LABO and CAFE YAMAMOTO(ラボ&カフェ ヤマモト)
秋田県山本郡八峰町八森字八森13-1
東八森駅から徒歩5分
070-1146-9430
営業時間 10:00~16:00(L.O.15:30)
定休日 火・水

日本酒を楽しんだ後は、近くのホテルへ

日本酒女子がゆく、秋田の酒蔵巡礼記 | ブランニューアキタ | アキタファン

山本のカフェから徒歩約15分。お酒を飲んだ後でも安心です。

このあと私たちは、お肌がツルツルになる温泉があるという「あきた白神温泉ホテル」でのんびり過ごします。今日の天気なら、感動的な夕景も見られそう。
ホテルまでは1kmもないようなので、のどかな風景を楽しみながら歩いてみようと思います。
日本酒女子がゆく、秋田の酒蔵巡礼記 | ブランニューアキタ | アキタファン

広々とした大浴場で旅の疲れを癒やしましょう♪

あきた白神温泉ホテル
秋田県山本郡八峰町八森字磯村
東八森駅から徒歩7分
0185-77-2233