秋田の紅葉めぐり。世界遺産に文化財、秋の絶景特集！

世界自然遺産・白神山地で紅葉トレッキング！

燃えるような真っ赤に紅葉した木々。自然のパワーに圧倒されます。

秋田と青森の県境にまたがる、標高200〜1,250mの広大な山岳地帯「白神山地」。現代で姿を消しつつある、かつて北日本に広く分布していた冷温帯性のブナの森が広範囲にわたって残され、多種多様な森林生態系が残されている希少性から、1993年に日本で初めての世界自然遺産として屋久島と共に登録されました。ブナの森が広がる白神山地は四季の移り変わりがはっきりしていて、秋には山一帯の木々が紅葉を始め、訪れる人を楽しませてくれます。

秋田県側のトレッキングコースとしてオススメなのが白神山地の南麓・内陸側に位置する藤里町の岳岱自然観察教育林。藤里町は白神山地にすっぽりと囲まれた山間部に位置する町です。最寄りの二ツ井ICからは車で1時間程度。保全された遺産エリアに比較的簡単に車でアクセスすることができますよ。

要所要所にルートマップが掲示されているのでトレッキング初心者でも安心！

トレッキングコースがしっかりと整備されているので歩きやすく、ルートに沿って進めば道に迷う心配もありません。コースは1周が約1.8kmで、高低差も少なく1時間程度で散策することができるので体力に自信のない方でも安心です。赤や黄色に染まったブナの森をカメラに収めるもよし、目に焼き付けるもよし。新鮮な山の空気をいっぱいに吸い込んで大いにリフレッシュできること間違いなしです。

貴重なブナの木の根を傷つけないよう、歩く際はコースから外れないようにしましょう。

紅葉した木々の葉の間から見える木漏れ日はこの時期だけの特別な光景。

白神山地のことなら、白神山地世界遺産センターへ

散策や登山、観察会などのイベントも開催しており、白神山地を訪れる際にはぜひ立ち寄ってみましょう。

岳岱自然観察教育林に向かう道沿いにある、白神山地世界遺産センターではトレッキングルートの紹介はもちろん、白神山地の豊かな生態系を賑やかな展示とともに学ぶことができます。

ふわふわのカモシカの剥製や大きなブナの木の模型など、大人から子どもまで楽しみながら学べるので、トレッキングの前後にぜひ立ち寄ってみてはいかがでしょうか。

白神山地に暮らす生き物の剥製など、リアルな生態系を学べる展示が魅力

白神山地世界遺産センター

開館時間 3月～11月 9:00～17:00 12月～2月 10:00～16:00

休館日毎週火曜日（祝日の場合は翌日）、年末年始 ※12月～2月は毎週月・火曜日（祝日の場合は火・水曜日）

入館無料

恋文のまち、「きみまち阪」でロマンティックなひとときを

ハートの形の「きみまちの鐘」。紅葉の時期には家族連れやカップルなどで賑わいます。（画像提供：能代市）

能代市二ツ井町にある「きみまち阪」こと、きみまち阪県立自然公園。明治14年に東北巡幸でこの地を明治天皇が訪れたとき、ちょうど皇后から東北を旅する天皇を想った手紙が届けられました。秋田から遠く離れた皇居で明治天皇の帰りを待つ、皇后の想いのこもった手紙はまさしく恋文（ラブレター）でした。この地の美しさと、皇后からの手紙に感動した明治天皇は当時正式な名前のなかったこの場所に「后（きみ）を待つ阪」という意味を込めて「きみまち阪」と命名したと言われています。

このエピソードから二ツ井町は「恋文のまち」として知られるようになり、過去には恋文コンテストが行われたり、公園の敷地にはハートの形をした「きみまちの鐘」が設置されたり、恋のパワースポットとなっています。

「屏風岩」と呼ばれる険しい断崖と紅葉の美しいコントラストも見どころのひとつ。（画像提供：能代市）

きみまち阪は、元々ふもとを流れる米代川の川岸に迫る険しい山でした。明治天皇がこの地を訪れることが決まったときに、地元の人々が手掘りで山を切り崩し、緩やかな坂道を作りました。今でもその名残として、切り立った崖が公園内の各所に見られます。「阪」と名前がついているとおり、傾斜に沿って公園内の遊歩道が続いているので、ゆっくりと自分のペースで散策しましょう。

紅葉が終わる頃には真っ赤なもみじのじゅうたんが出現！（画像提供：能代市）

愛する人とこの鐘を鳴らせば幸せになれる、という噂も！（画像提供：能代市）

周辺の紅葉スポットにも注目！

道の駅ふたついに隣接するカヌースクール。

秋空が映る水面を、紅葉を眺めながらゆったりと川下りが楽しめます。

きみまち阪のすぐふもとには、気軽にカヌーを楽しめるスポットもあります。紅葉の時期にはふもとの米代川からカヌーで紅葉を眺めるのもとってもオツだと思いませんか？初心者向けのプチカヌーコースは当日の受付でも参加OK。約45分間のカヌーツーリングが気軽に楽しめます。初めての方でも、日本カヌー連盟公認の指導員さんが優しく楽しくレクチャーしてくれるので安心です。天気がいい日には水面に映る紅葉した山々や、青空と紅葉の美しいコントラストが楽しめます。ゆったりと川を下れば、身も心もリフレッシュされること間違いなし！

銀杏山神社の敷地内にある樹齢600年を越える巨大な銀杏の木。（画像提供：能代市）

きみまち阪から車で10分ほどの場所にある「銀杏山神社」は、1300年以上の歴史を誇る由緒ある神社です。境内にある3本の銀杏の木は、幹の周囲が9メートルを越える巨木で、銀杏が黄色く色づく秋には幻想的な光景が広がります。手を繋いだように太い枝で繋がった、2本の銀杏は「連理の銀杏」と呼ばれ、2本の木の間を一気に3回、8の字に回ると良縁が叶うと伝えられています。

紅葉に彩られた武家屋敷の風情あふれる小京都

鮮やかな赤や黄色が目を引く、秋の武家屋敷通り。

春には美しい枝垂れ桜と趣のある武家屋敷をひと目見ようと、多くの人が訪れるみちのくの小京都・角館。江戸時代の町並みが残る武家屋敷通りは、秋は鮮やかな赤や黄色に包まれ、春とは違った風情を感じることができます。人力車に乗ることもできるので、小京都の風情あふれる町並みを颯爽と人力車で駆け抜ければタイムスリップしたような気分に！

もみじや銀杏など、色鮮やかな木々が武家屋敷通りを彩ります。

青柳家の「薬医門」。江戸時代、家の門はその家の位の高さや威信を示すものとされていました。

角館を代表する武家屋敷のひとつが青柳家。江戸時代に秋田を治めた佐竹氏に仕えた武家、青柳家がかつて暮らしていたお屋敷です。重要文化財にも指定されている母屋は中に入って見学することができ、江戸時代の武士の暮らしを体感することができます。土蔵を改装した展示スペースもあり、青柳家が収集してきた刀や鎧、文献などが所狭しと展示されているので、「小京都」をより深く体験できる施設となっています。

刀や鎧以外にも骨董品なども収蔵されており、レトロな雰囲気に浸ることができます。

角館歴史村・青柳家

秋田県仙北市角館町表町下丁3

公式Webサイトhttp://www.samuraiworld.com/index.php

地元の名物にちなんだ、最新スイーツが登場！

RÉGAL RITZの看板商品、焼き栗の香ばしさが楽しめる「焼きモンブラン」

角館の町中を流れる桧木内川の上流にある、西明寺地区は「日本一大きい栗」として知られる「西明寺栗」の産地。西明寺栗は300年以上前から生産されている、角館の伝統的な農産物です。この名物にちなんで、栗のおいしさを引き出したオリジナルスイーツを提供する「RÉGAL RITZ（レガールリッツ）」が2022年に角館にオープンしました。

蔵をリノベーションして再生された重厚感漂う外観。

地元の醤油味噌の醸造元から受継いだ、築120年以上の「糀蔵」をリノベーションすることで再生された重厚感のある店舗も特徴的。角館の歴史を肌で感じながらこだわりのモンブランスイーツを楽しむことができます。

マロンクリームが贅沢に練り込まれた上品な味わいのソフトクリーム「モンブランソフト」。

自家製のとろけるようななめらかプリンの上に、モンブランペーストが目の前で絞って完成される「絞りたてモンブラン」。

ふんわりとした生地としっとりなめらかなマロンクリームがたまらない「焼きモンブラン」をはじめ、モンブランソフトや、独自の製法で栗のおいしさを引き出した「絞りたてモンブラン」など、栗の味わいにこだわった特製スイーツが楽しめます。

RÉGAL RITZ

秋田県仙北市角館町下新町34

0187-49-8285

※営業日のご確認はお電話でお問い合わせください。

公式Webサイトhttps://regal-ritz.com/

雄大な自然の力強さを感じる「小安峡」

峡谷に架かる「川原湯橋」から見下ろす小安峡はまさに絶景！

秋田県屈指の紅葉の名所といえば、湯沢市の小安峡。皆瀬川に沿って深いV字の谷が続く景勝地です。紅葉によって赤や黄色に彩られる様子は圧巻！高さ60ｍの峡谷に架かる橋の上から、紅葉に染まった谷間を見下ろすことができます。峡谷に沿って遊歩道も整備されており、気軽に散策できるスポットです。

ゴツゴツとした岩肌から湯気が立ち上る、幻想的な光景が広がります。

小安峡は紅葉スポットのほか、温泉地としても知られています。整備された遊歩道のあちこちからは熱湯と蒸気が吹き出す様子が見られます。蒸気や熱水がたまっている地熱貯留層の亀裂が露出しているという、世界でも珍しい地形なのだそう。切り立った岩の合間からごう音とともに大量の熱湯と蒸気が吹き出す「大噴湯」は、実際に間近で見ると大自然の力強さに圧倒されます。

紅葉を楽しんだら温泉で癒やされよう！

女性に人気の無料の足湯スポット。一休みにぴったりです。

小安峡にある温泉宿「元湯くらぶ」の大浴場。開放的な大きな窓からは四季の変化が楽しめます。

美しい紅葉を堪能したあとは、小安峡の温泉で癒やされるのはいかがでしょうか？小安峡には峡谷を望む山道に沿って、いくつかの温泉宿が立ち並んでいます。無料の足湯や日帰り温泉などがあり、短い時間でもたっぷり楽しむことができます。

ゆったりと楽しみたい方には昔ながらの風情あふれるお宿や、個室風呂付きのリッチなお部屋を備えた温泉宿など、宿泊がおすすめです。地元ブランド牛「皆瀬牛」や、山間部ならではの山の幸を使ったお料理など、紅葉以外の楽しみ方も充実しています。

小安峡温泉の詳細はこちら！

紅葉が楽しめる秋田の魅力的なスポットのご紹介、いかがでしたか？まだまだ紹介しきれないたくさんの紅葉スポットのなかから、今回は厳選した４つのエリアをご紹介しました。ブナやもみじ、銀杏やけやきなど、場所によって樹種が異なるためひとくちに「紅葉」といってもその色合いや表情はさまざまで、その年の気候によって色味の深さや鮮やかさも異なると言われています。

さあ、あなたもこの秋にしか出会えない特別な秋田の紅葉めぐりにでかけてみませんか？

（公開：2022年9月）