秋田の歴史と伝統工芸に触れる旅 制作体験で職人さんとの交流も

秋田の歴史と伝統工芸に触れる旅 制作体験で職人さんとの交流も

自然に恵まれた秋田では、その豊かな資源を活用した工芸品が数多く生まれました。先人たちが生み出した技術は、職人たちによって今も受け継がれています。 その職人さんたちに直接教えてもらいながら、自分だけの工芸品を作ってみませんか?伝統と歴史を体感できる特別な旅になること間違いなしです! 今回は、国の伝統的工芸品にも指定されている「大館曲げわっぱ(おおだてまげわっぱ)」と「川連漆器(かわつらしっき)」の制作体験をご紹介します。

約800年を超える歴史を持つ「川連漆器」

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湯沢市川連漆器伝統工芸館

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伝統工芸館では、1400点以上の川連漆器が展示販売されています。

やってきたのは、秋田県の南部に位置する「湯沢市川連漆器伝統工芸館」です。
川連漆器の歴史は800年以上前にさかのぼります。この地域の城主だった小野寺重道の弟、道矩公が家臣に命じて武具に漆を塗らせたことが始まりと言われています。17世紀半ばにかけて、本格的に漆器作りが始まり、お椀や重箱などの日用品が幅広く作られるようになりました。昭和51年には国の伝統的工芸品に指定されています。

漆器作りの一部を体験!

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伝統工芸館の一角で体験できます。

伝統工芸館では、漆器制作の一部の工程を体験できる製作体験が行われています。この日は、漆器の表面に絵を描く「蒔絵(まきえ)」の技法を体験させていただきました。
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どのように仕上がるのだろうと想像するとワクワクします!

今回は手のひらサイズの平皿に蒔絵をつけていきます。あらかじめ準備されているいくつかの下絵の中から好きなものを選び、漆器に下絵を写した後、下絵をなぞるように、漆を付けた平描漆(漆をつけた筆)で絵を描いていきます。
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緊張のあまり、少し手が震えてしまいました(笑)

下絵はあるものの、あくまでも下書きのためはっきりしていない部分があり、どこに漆を描いていいのか分からないため、描く部分を決めていくのがとても難しいです。

職人さんとの交流にもほっこり

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お手本を見せてくださる細かな手さばきも優雅です。

この日担当してくれたのは、蒔絵職人歴30年以上の佐藤さん。佐藤さんは漆器だけでなく、ガラスにも蒔絵を塗ることができるそうで、伝統を守りながらも、挑戦し続ける職人さんです。
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職人さんはこんなに細かな作業を行っているんだと実感。

次に、描いた絵に粉を蒔いて叩きつけて定着させていきます。佐藤さんに粉を叩きつける作業を手伝っていただきました。

約1時間で完成!

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世界にひとつだけの川連漆器。大切に使います!

「蒔絵」の体験は子どもから大人まで幅広い年代の方が楽しめるそう。
このほかにも、川連漆器の得意とする独特の加飾技法(かしょくぎほう)である「沈金(ちんきん)」の技法を体験できるコースもあります。
事前予約必須ですので、下記サイトから詳細をご確認ください!

湯沢市川連漆器伝統工芸館
湯沢市川連町大舘中野142-1
0183-42-2410

木のぬくもりを感じる「大館曲げわっぱ」

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大館曲げわっぱは写真映えする弁当箱としても人気があります。

続いては、秋田県の北部に位置する大館市の伝統的工芸品「大館曲げわっぱ」です。大館曲げわっぱは、スギの木の板を曲げて作られる円筒形の器で、約1300年の歴史があります。昭和55年には国の伝統的工芸品として指定されました。
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大館駅前にある柴田慶信商店わっぱビルヂング店(1F)。

大館曲げわっぱの魅力を実感してもらおうと、大館曲げわっぱ協同組合の各会員企業で制作体験が実施されています。今回は、柴田慶信商店わっぱビルヂング店で体験させていただきました!

大館曲げわっぱのマイお弁当箱づくり!

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ショップ内にある常設のワークショップスペースで制作体験が実施されています。

今回は小さな丸い弁当箱を制作することにしました。まず木の板を曲げる技術を体験します。約80℃のお湯に浸けたスギの木を取り出し、型に合わせて曲げて輪を作ります。曲げた木は乾燥が必要なため、今回の弁当箱にはなりませんが、木を曲げるなんて貴重な体験です。想像通り、曲げる時には力が必要でした。


職人さんのユーモアあるお話に盛り上がる!

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職人の近藤さん。

今回教えてくださったのは、柴田慶信商店の曲げわっぱ職人である近藤さん。合間には大館曲げわっぱの歴史についてクイズ形式で楽しく教えてくれました。体験に参加する前は、伝統工芸を受け継ぐ職人さんというということで、お堅い方なのかなと思っていましたが、そんなことはなく、とても気さくな方です。

いよいよ弁当箱を組み立て

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木のぬくもりに触れながらの作業は心地いいです。

曲げ加工をしたつなぎ目にあたる部分を、山桜の木の皮(樺)で綴じたあと、木目の模様を見ながら弁当箱を組み立てていきます。接着剤を使って止めるのは繊細な作業、部品をはめ込む時は力作業で、どの作業も気を抜けません!

組み立てが終わったら全体にやすりがけをしながら、表面を滑らかにしていきます。

自分だけのお弁当箱が完成!

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自分で完成させたという達成感もあります!

約2時間で完成させることができました。自分で作ったお弁当箱だから愛着が湧き、職場や学校に毎日お弁当箱を持って行きたくなります!

 

大館曲げわっぱ制作体験
※制作体験は組合加盟店舗で実施
お申し込みお問い合わせは下記Webサイトへ
実際に体験しながら、歴史や伝統を学び理解を深めると、工芸品の向こうにいる職人さんのことも考えるようになったり、工芸品に対する見方がこれまでと変わります。いずれの制作体験でも、職人さんが丁寧に作り方を教えてくれるので、初心者でも大丈夫。秋田の歴史と伝統に触れる旅に出かけてみませんか?

(公開:2024年2月)